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ろ過装置の仕組みを見てみよう!

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川崎市・市内企業研究開発成果理解促進活動支援事業

 2月27日、温泉施設やプールなどの水をろ過する装置を活用した出張授業「貴重な水を再利用~省エネろ過装置のしくみ~」が、川崎市立中野島中学校の1年生を対象に実施された。

限られた水を再利用 ろ過装置の仕組みとは

 この日の講師は株式会社ショウエイの農原花織さんと小林達矢さん。最初に会社紹介を行った後、授業のテーマである「ろ過」についての知識を確認。ろ過は漏斗とろ紙を使用する実験だけでなく、自然界でも雨として降ったものが地面を通過してろ過されて地下水となって循環することが説明された。
 次にショウエイのろ過装置が、温泉施設や市内のスポーツクラブ、客船の中でも使用されていることを紹介。大量の水が使用される場所で活躍していることがわかった。標準的な25mのプールでは、約30万リットルの水が利用されており、水道料金に換算すると25万円を超えることを知った生徒からは驚き声があがった。
 その後は、ろ過装置の仕組みを説明。小型のろ過装置で実際に水の汚れをろ過した。汚れが浮いている水が装置の中にある砂と砂利の層を通過すると、汚れがなくなった状態で出てくる様子を確認した。各班でも漏斗に砂と砂利の層を作り、同じようにろ過の実験を実施した後、農原さんから「砂の上に汚れがたまると、水の流れが悪くなり、水はきれいにならず、ろ過器が故障する原因になります。蓄積した汚れはどうやって取り除くか」という課題が出される。各班がアイディアを話し合った。
 実際のろ過装置では、ろ過とは逆の方向に水を流して汚れを浮かせて排出する「逆洗」という機能がある。再びろ過装置の前に集まり、逆洗の様子を観察した。さらに、ろ過では除去しきれない細菌は人体に悪影響を及ぼすこともあるため、塩素消毒がされていることが紹介された。
 最後に、農原さんの日常の仕事を紹介。水質検査や製品開発のための実験を行っている様子や、子供のころに関心があったことなどがメッセージとして送られて、50分の授業は終了した。

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理科の学習内容が製品に応用される

 川崎市の「市内企業研究開発成果理解促進活動支援事業」として開催されたこの授業は、市内の中小企業が、川崎市、株式会社ぎょうせい、NPO法人企業教育研究会と協働してプログラムを制作する。今年度はショウエイの他、東京整流器株式会社と株式会社エスピージーフコクの2社が各社の製品の特長を生かした授業を行っている。
 この授業に関する問い合わせは、川崎市経済労働局産業政策部企画課(電話:044・200・3714)まで。

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