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「魔法の世紀」と「教育」を考える

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第100回千葉授業づくり研究会

 平成27年7月18日、千葉大学教育学部2号館で「千葉授業づくり研究会」の通算100回目となる定例会が開催された。主催はNPO法人企業教育研究会(以下、ACE)他。教員や教育関連分野の学生、一般の参加者など約100名が参加した。

虚構と現実の差がなくなる時代に

 記念すべき100回目のゲストは、筑波大学助教授でメディアアーティストの落合陽一氏。コンピューターとアナログの技術を組み合わせた作品を産み出し続ける「現代の魔法使い」と呼ばれている。
 20世紀は映像やCG技術が発展し、21世紀は虚構と現実の差がなくなっていく。新しい技術が日常の世界を置き換え続けていくことや、ものづくりと芸術の関係など次々と話題が展開。そんな時代の生き方として、好きなことや信じられることを突き抜けるまでやり通して周囲の環境を変えることや、自身が大学で展開している教育の方法など、約1時間にわたる講演が行われた。
 次に、ACE理事の阿部学氏(敬愛大学国際学部専任講師)が登壇。子供が「すげー!」と心を動かされるものは教師が仕掛ける「魔法」であるという見解や、千葉県内の幼稚園で行われている現実と虚構が入り混じった実例を紹介した。佐藤和紀氏(東京都北区立豊川小学校主任教諭・東北大学大学院情報科学研究科)からは、日常的に1人1台のタブレット端末を活用した実践が報告された。ICTを活用できる環境に慣れるにつれて児童が自発的にICT機器を活用しようとする様子や、そのクラスで生まれる会話や文化、問題点が報告された。
 その後、1時間以上にわたる質疑応答・自由討論が行われた。テクノロジーの進化と心や身体の関係、数学教育の可能性などにも議論が発展した。

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特設サイト公開中

 千葉授業づくり研究会は教育分野にとどまらず、他分野・多分野との接点を探りながら新しい授業づくりについて考える研究会。平成15年4月の第1回からこれまでに企業関係者や専門家など延べ100名以上の講師が登壇。長時間にわたって質疑応答や自由討論が行われるのが特徴だ。
 これまでの開催テーマや講師などの情報を集約したWebサイトを公開。(URL=http://ace-npo.org/achievements/100cjk/)今後も定期的に開催して、異質な者どうしの学び合いを継続する。
 今後の開催情報に関する問い合わせはACEの事務局(電話=043・308・7229)まで。

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