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地元のものづくり産業から学ぶキャリア教育

20061023_01

地域自律・民間活用型キャリア教育プロジェクト(1)

 「自分たちの地元にこんな産業があったとは知らなかった」「身近なところにも『ものづくりの知恵』が生かされているなと思いました」

地元の産業を教材に

 千葉県富里市の中学校1年生での授業の様子だ。この授業は、経済産業省「地域自律・民間活用型キャリア教育プロジェクト」の一環として、NPO法人企業教育研究会が企画し、富里市にある太産工業(株)の協力の下、行われた。
 授業内容は国語科の「ものづくりの知恵」。教科書で扱われている「プルトップ缶づくりの知恵」と、発展として扱う「地元のものづくり産業の知恵」の2つの授業が行われた。今回は、「地元のものづくり産業の知恵」の授業の様子を取材した。

ものづくりの知恵を見てみよう

 授業では、ものづくりの知恵について書かれた説明文を朗読した後、同社の飴谷智之さんが講師となり、石油ファンヒーターや石油給湯器などに使われている電磁ポンプの仕組みや生産の様子を紹介した。
 さらに、NPOが事前に取材を行ってまとめたビデオを用いながら、開発・生産におけるものづくりの知恵をクイズ形式で紹介。生産時に間違った方向では組み立てられないようにする工夫や石油ファンヒーター用の電磁ポンプの音をできるだけ小さくするという知恵を、具体物を交えながら説明した。

写真

講師の転機グラフを見てみよう

 授業の最後には、講師のこれまでの人生の転機をグラフ(人生転機グラフ)にして紹介。工業大学から新技術にあこがれて入社した仕事のきっかけや、28年間勤めてきた仕事の苦労ややりがいなどを説明した。
 授業のコーディネートを行った同法人の塩田真吾さんは、「国語の授業でもキャリア教育を実施できるということが大きな成果であった。また、地元の企業ということで、生徒の興味・関心も高かった。教科書で扱われている『プルトップ缶の知恵』の授業と併せて、今回の授業で『ものづくりの知恵』と『そこで働く人の思い』というものに目を向けてもらえたら」と感想を話した。

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