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iPad2で体験するネットトラブル

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デジタル教科書教材協議会・保護者向け情報モラル講座

 インターネットの落とし穴を、ipadを使って体験する保護者向けの講座が、千葉市内の会場で開催された。画面を操作すると突然、料金請求に切り替わる悪徳サイトや、携帯電話の使用料に上乗せされて請求が来るソーシャルゲームサイトの仕組みを体験する内容だ。
 講座は、デジタル教科書教材協議会(DiTT)の21世紀型授業ワーキンググループの実証研究として開催。講座内容は、第一法規株式会社とNPO法人企業教育研究会が開発。法的な知識の解説については、弁護士の監修を受けた。
 また、SCSK株式会社が現在開発中の協働学習支援システムを提供。ipadを使って参加者の手元に教材を一斉提示したり、選択式や記述式の回答を自動的に集計したりできる。教科書や教材がデジタル化した、将来的な教室像を描いての講座だ。

いきなり料金を請求されたら?

 参加者は、千葉市内の保護者を中心に結成された「ちば子ども学研究会」のメンバーなどの14名。ほとんどの人はipadを触った経験が無い。操作の説明を行った後、アンケートを提示して、タッチパネルで回答してもらう。操作に慣れた後は、ipadでインターネットのサイトを体験。
 実際のページを模した教材サイトにつながるメールを、参加者のipadに一斉配信し、画面を操作しながら体験をしてもらう。懸賞に応募したら、いきなり高額な請求をされる画面につながり、「うわあ、これどうしたらいいの?」という声があがる。「こういった請求が来た場合、料金を支払わなければならないか?」という質問を参加者のipadに送信。タッチパネルで回答すると、ほとんどの参加者が「払わなくてもよい」を選択した。
 次に、記述式の回答ボードをipadに送信。「なぜ払わなくてもよいか?」という理由を考えて、答えてもらった。全員が記述した内容が、前方のスクリーンで即時に共有される。それぞれの回答を見比べながら参加者の考えを引き出した。

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直観的な操作性を保護者も体感

 参加者の意見を共有した後、法律上ではどのように決められているか、弁護士による解説内容を紹介。インターネットでの取引は対面式と違って間違いが生じやすいので、最終確認をする際に、契約内容や申込みを行う意思の確認・修正画面が必要なことや、未成年者が単独で行う契約は、保護者が無効を主張できる条件を解説した。
 参加者した保護者からは「楽しかったので気軽に大切なことを学べました」「意見や回答をすぐに全体共有できる点が良く、学校の授業で活用するべきだと思います」という声が上がった。直観的に操作ができる端末で、インターネットの体験と参加者の意見共有が即座に簡単に行える。今後もさまざまなテーマでの教材開発が見込まれる。

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