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静電気が仕事に?

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浜松ものづくりマイスターと学ぶ静電気の仕組みと起業家精神

 「タッチパネル、プリンター、腕時計、この中で静電気が使われているのはどれでしょう?」
 「静電気が引き起こす塗装工場での問題とは何でしょう?」
 これは、静電気除去に革新的な技術で挑む(株)TRINC(トリンク)が静岡大学教育学部と共同で開発した教材の内容だ。現在、静電気の仕組みと起業家精神を学ぶことができる教材を全国に貸し出している。

静岡大学教育学部との共同開発

 製造現場では、静電気を起因とする「製品へのホコリの付着」による不良品の発生に頭を悩ませている。そんな静電気除去に立ち向かうのが、静岡県浜松市に本社をおく(株)TRINCだ。独自の静電気除去技術を開発し、あるメーカーで採用された除電システムでは、不良率を90%削減している。社長の高柳眞さんは、浜松市の「ものづくりマイスター」に認定される技術者であり、TRINCを起こした起業家でもある。
 その高柳さんが、「子どもたちに静電気や除電に関する正しい知識を持たせ、起業家精神を持つ次世代の技術者を育てたい」と考え、授業づくりを専門に研究する静岡大学教育学部塩田研究室と共同で、小中学生向けの教材を開発した。

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静電気の仕組みから起業家精神まで

 開発した教材では、高柳さんが静電気博士として登場し、「静電気の仕組み」「身近な静電気の活用」「除電の仕組み」「静電気を仕事にするまで」といった静電気の仕組みから起業家精神までを学ぶことができる内容になっている。
 タッチパネルやプリンターに使われる身近な静電気から、除電の仕組みまでをデジタル教材でわかりやすく学ぶことができるほか、「静電気を仕事にするまで」では、高柳さんが起業するまでのストーリーをクイズ形式で紹介。
 「今、学んでいることが将来の仕事になるかもしれない」というメッセージを伝えている。さらに、デジタル教材以外にも静電気の発生、除電が体験できる実験器具がセットになっており、体験を通して学ぶことができるようになっている。
 共同で教材を開発した静岡大学教育学部の塩田真吾講師は、「高柳さんの熱意が伝わるように、教材を開発した。小中学校の理科はもちろん、キャリア教育でも活用してもらえたら」と語った。

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