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ゲーム会社独特の工夫学ぶ

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ナムコによる「福祉」の授業

 「皆さん、このゲーム見たことありますか?」「『太鼓の達人』!やったことある!」「実は、この「『太鼓の達人』、お年寄りの腕の力を回復させるためのリハビリに活用されているんです」

ナムコの福祉事業

 千葉・木更津市立岩根西中学校での授業の様子だ。この授業は、福祉を支えるさまざまな仕事を知ってもらおうと(株)ナムコとNPO法人企業教育研究会が企画し、行ったもの。同社では、「かいかや」というデイサービスセンターを経営しており、遊びを取り入れることで楽しんでリハビリができるよう工夫している。
 授業では、同社の林山直樹さんが講師となり、さまざまな「リハビリテインメントマシン」(リハビリテーション+エンターテインメントの造語)の紹介や、会話や筆談が不自由な人のために開発された携帯用会話補助装置「トーキングエイドライト」などの体験を交えながら、福祉を支える仕事について説明した。

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楽しんで行うリハビリ

 授業では、まず、お年寄りのリハビリ用に工夫されたリハビリテインメントマシン「太鼓の達人RT」の紹介や、「トーキングエイドライト」を使った会話の体験などを行った。その後、生徒自ら福祉を支える製品機器を考え発表した。
 生徒からは「自由に温度調節のできるドライヤークシを考えました。お年寄りがヤケドをしないように自由に温度調節ができ、さらにクシの1本1本も軟らかい素材でできており痛くありません」などのアイデアが出された。講師の林山さんは「以前福祉施設の訪問に行かれたそうですが、その経験が生きていますね。私どものデイサービスセンターでも採用してみたいです」とそれぞれの班にコメントを述べた。
 授業の最後には、「同じリハビリでも、『やらされているリハビリ』と『楽しんでやるリハビリ』は違う。利用者の立場になって、心を感じてあげることが大切だと思います。機械だけでなく、いろいろな人に機会をもってもらえるよう今後も取り組んでほしい」と生徒にメッセージを送った。

仕事の魅力知る機会に

 授業を受けた生徒は「エンターテインメントが福祉の世界でも役立っていることを初めて知りました。自分も高齢者を楽しませる仕事についてみようかなと思いました」と話した。
 同校の鈴木節子校長は「最初にゲーム機を見せたので、子どもたちの興味がわいたと思う。仕事の中で生きがいを見いだしている人の話を聞くことはキャリア教育として非常によかったと思う。福祉に関する仕事にもいろいろあり、社会に役立っているということが生徒に分かってもらえれば」と感想を語った。

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