読売新聞東京本社『教育ルネサンス ことばの授業』
これからの教員に求められる力の一つとして、学校外の力を活用することが注目されている。9月10日、兵庫県立大学・教職課程の集中講義「生徒指導論」でその実践例が紹介された。
読売新聞東京本社が、NPO法人企業教育研究会(以下、ACE)と協働している『教育ルネサンス ことばの授業』だ。ゲストとして、読売新聞東京本社教育支援部の吉田尚大記者と、進行役であるACEの吉松優輝さん(千葉大学教育学部2年)が登壇。
授業に参加した大学生を小学5年生に見立てて「インタビューをしよう!」の模擬授業を行った。この講義の担当は、同大学の竹内和雄准教授。書写キャンパスだけでなく、光都、明石キャンパスを中継で結び、3教室同時に約90名の学生が模擬授業を受けた。
新聞記者のスキルを題材にした授業を体験
授業の最初に、記者にとって大事な仕事道具であるメモ帳を配布。インタビューをする時のメモの取り方について、吉田記者が解説。「大切なことだけを書く」「消しゴムは使わない」といったコツに加え「相手には、なるべくその人のテンポで話を続けてもらいたい。メモが追いつかないからといって話を止めることはできないので、できるだけ速いスピードで取ります」と説明した。
次に、吉田記者が竹内准教授を相手に即興でインタビューの実演を行った。出てきた回答からさらに質問を掘り下げ、メモの内容がどんどん増えていく様子を見ながら、新聞記者の技術を体感。そして「みんなが興味を持ちそうなことを見つけて聞く」などのコツが紹介された。さらに、インタビュー内容から、吉田記者が10分前後で執筆した記事を紹介した。
後半は、参加者がペアを組み、お互いの「頑張っていること」についてインタビュー実習を行った。聞き取った内容を短時間で記事にまとめる。書き上がった記事に対し、吉田記者が「起承転結がよく考えられている」「興味を引きそうなエピソードから書き始められていて良い」などのコメントをつけて授業は終了した。
新時代の教員へ
最後に質疑応答の時間が設けられ、ACEの吉松さんには出張授業に向け日頃からどのような活動をしているか、などの質問が寄せられた。
吉田記者には、記者になったきっかけや、記事を執筆する時に気をつけていることなど、仕事に対する質問が寄せられた。
最後に、吉田記者から「コミュニケーション能力を高めるため、異文化とどんどん交流してください」というメッセージが送られ、講義は終了。学校現場で行われている実践の紹介に加え、進路選択においても刺激の多い時間となった。