日本アイ・ビー・エムと連携した環境教育
日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、IBM)とNPO早稲田環境教育推進機構(以下、WE)が連携した環境の授業が千葉県内の中学校で行われた。授業ではWEのスタッフが進行を行い、IBMの技術者が講師を務めた。
「Power Up」を体験しよう!
授業の最初に風力発電に関する簡単な講義を行った後、IBMが開発した環境ゲーム「Power Up」で風力発電の仕組みを学んだ。
「Power Up」とは環境危機に瀕している架空の惑星を、風力や太陽光などの新エネルギーによって再建する3Dゲームで、授業では風力発電のゲームを使用した。生徒がキャラクターを操作しながら風力発電機の各部品を集め、ゲーム内で風力発電機を立てることで風力発電の仕組みを視覚的に学んだ。
風力発電機を作ってみよう!
ゲームで仕組みを学んだ後は、エンジニアの体験として風力発電機を実際に制作。生徒はボール紙を使い、直径20センチメートルほどの風力発電機の羽の製作を行った。
作った羽を風力発電のキットに取り付け、扇風機で風を送り、羽を回転させた。製作中は、講師を務めたIBMのエンジニアである藤田育夫氏が生徒にアドバイス。
生徒は風力発電の技術者になったつもりで、より速く回る羽を目指し試行錯誤を続けた。製作終了後は、班ごとにキットに付属している電動ミニカーを充電してレースを行い、声援や歓声の声が上がった。
技術者の話
授業の最後にはエンジニアの藤田氏が、環境を守る技術と技術者の仕事について紹介。自らの仕事であるシステムエンジニアの仕事について語るとともに、自身の半生にも触れ、生徒にとってはこれからの進路を考える貴重な機会となった。
生徒からは、「風力発電の大切さがわかった。新エネルギーの利用により、火力、原子力の分もまかなっていけるような新世界になったらいいな」「エンジニアの仕事に興味がわいた」「もっとエンジニアについて知りたい」との感想があり、有意義な一日となったようだ。
当授業を担当したIBM社会貢献部の横田由美子さんは、「「Power Up」ゲームやエンジニア体験を通じて、環境や環境分野でのエンジニアリングの原理、キャリアへの興味と理解を深められるこのような新しい授業を今後も広く実践していきたい」と話した。