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身近なものを使った科学実験

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日本アイ・ビー・エムと連携した理科教育

 日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、IBM)はNPO法人企業教育研究会と連携し、同社が提供する世界の子どもたちが科学の楽しさを体験できる「TryScience(トライサイエンス)?Web上の科学館」プログラム(http://www.tryscience.org)を学校教育の中で活用する研究事業を行った。
 トライサイエンスは、IBMが制作・運営するWebプログラム。その中の、身近な題材で科学実験を体験できる「やってみよう」を取り入れた授業を千葉県内の小学校で実施した。

探査機を宇宙に送ろう!

 4年生を対象に行われた授業では、トライサイエンスの「探査機を宇宙に送ろう!」の実験を行った。膨らませた風船にストローと安定飛行のための重りとなるおはじきを貼り付け、ストローに紐を通せばロケットの完成。風船の口を開けて空気を放出させれば、ロケットが進む簡単な仕組みだが、スムーズに飛ばすためにはおはじきやストローを貼り付ける位置がポイントとなる。ワークシートで設計図を書き、何回も飛ばす実験を行い、試行錯誤を繰り返しながらも、勢いよく飛ばすことに成功すると、驚きの声が上がった。
 最後に実際のロケットの仕組みと実験で使用した風船が飛ぶ仕組みとの関係や、世界のロケットに関する紹介を受け、45分の授業が終了。「ロケットがどうやって飛ぶか、仕組みが良くわかった」「他の道具で実験をしたらどのくらい飛ぶのかやってみたい」との感想が飛び出し、知識の理解だけでなく、実験や科学への興味を引き立てる授業となった。

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学校での活用を提案

 他にも隕石などの衝突でできるクレーターを作る実験を行う「すい星のクレーター」の授業が行われた。別の中学校では、水に浮いた油を効率的にすくい取ることができる素材を探す「油膜」の実験が、環境問題をテーマにした「総合的な学習の時間」の中で活用された。
 ティッシュペーパーやガーゼよりもビニール袋が一番すくい取ることができることを実験で確認した後、実際の重油処理で使われているポリプロピレンなどが紹介され、科学の知識と社会のつながりを知る授業となった。

クラブ活動などでの活用も

 これらの成果や分析を、東京都内の小学校教諭や財団法人日本科学技術振興財団の有識者で構成された「トライサイエンス研究会」で報告。「理科の授業の他に、パソコンクラブなどのクラブ活動でも「ロボットに命令しよう!」などのコンテンツが活用できる」「身近な素材で実験ができる点は評価できる。放課後子ども教室などでも活用できるのでは」という提案がなされ、実施報告書に盛り込まれた。
 IBM社会貢献部の横田由美子さんは、「IBM社員ボランティアがこれまでの科学館などでの実験教室に加え、学校教育の場でもトライサイエンスの実験をお手伝いし、子どもたちのサイエンスへの興味を高めるだけでなく、キャリア教育の意味でもお役に立っていければと思っています」と話した。

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