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国際的な企業の新しい活動の姿とその意義

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日本アイ・ビー・エムと連携したキャリア教育

 タンザニアと日本を結んだ授業が、千葉県立柏の葉高校で行われた。この授業は、進路選択をテーマにした総合的な学習の時間に、日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、IBM)がNPO法人企業教育研究会と連携して企画、実践。ゲストとして、同社エンジニアの雜賀郁江さんと社会貢献部の川嶋輝彦さんを迎えて行われた。

タンザニアと日本の高校で情報を交換

 この授業が行われる前の約1カ月間、雜賀さんと一部の生徒がメールの交換をしていた。雜賀さんはIBM社員が世界のNGOと協働し、新興諸国の課題解決を支援するCSCプログラムでタンザニアに派遣され、その期間中、現地の生活や仕事の様子などの情報をやりとりした。世界各地から集まった課題解決チームの文化の違い、英語の必要性などといった経験や、現地の風景や訪問先の学校の様子などの情報が伝えられた。また、時事問題についても「米大統領選挙はタンザニアの人も関心を持っているか」という質問に「現地の大人だけでなく小学生まで関心が高い」と、新鮮な情報交換をした。
 そして帰国して迎えた授業当日、今度は学年の生徒全員に、タンザニアでの生活を報告。サファリや訪問先の学校の様子を写真や動画で紹介した。また、文化や言語の違う人と仕事をした経験を話し「コミュニケーションを大切に。どんな状況でも明るく、楽しく、前向きに取り組むこと。」というメッセージを伝えた。

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国際的な企業の役割とは

 次に、川嶋さんがCSR(企業の社会的責任)について解説。今回雜賀さんがタンザニアに派遣されたCSCプログラムは、社員を派遣して新興諸国の課題解決の支援をするだけでなく、21世紀のグローバルな人材育成を狙うという双方のメリットがある新しい社会貢献の形であることを説明。企業が業績の向上だけを目指すのではなく、さまざまな人々や地域社会とのバランスを取りながら、共に持続的に発展することの重要性を伝えた。
 普段の生活では触れることのないタンザニアの様子を知るという国際理解だけでなく、国際的な企業で他の国の人と一緒に仕事をすることや、企業の社会貢献のあり方を学ぶ実践となった。
 当授業を担当したIBM社会貢献部の横田由美子さんは、「CSCに参加した社員たちが、その経験を子供たちにダイレクトに伝えることで、国際、キャリア、企業の社会貢献について興味と理解を深められるこのような授業を今後も広く実践していきたい。」と話した。

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