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ゲームとの付き合い方を考えよう

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ソニー・コンピュータエンタテインメントによる授業

 「平日、みなさんはどのくらいテレビゲームをしていますか?」
 ほとんどの子どもが、一~二時間ぐらいゲームをしていると答え、二時間以上ゲームをしている子どもも数人いた。「みなさん、けっこうゲームをやっていますね。今日はそのゲームとの付き合い方について考えてみましょう」

 千葉・旭市立矢指小学校での総合学習の授業の模様だ。「ゲームとの付き合い方を考えよう」をテーマに、ゲーム会社のソニー・コンピュータエンタテインメントと連携し、子どもたちが自らゲームに夢中になる仕組みを理解し、今後ゲームとどう付き合っていくかを考えていく。
 まず、実物を見せながらゲームの歴史や日本におけるゲーム産業の規模について説明し、子どもたちに興味を持たせる。「それでは、これからみなさんがゲームに夢中になる理由を考えてもらいます。ゲームをつくっている人がどんな工夫をしているか考えてみましょう」
 班に分かれ、思い付くままにアイデアを付せん紙に書いていく子どもたち。「映像をきれいにしていること」「アイテムを集めるのが楽しいこと」「レベルアップするところ」など、子どもたちのアイデアは次々と生まれ、たくさんの付せん紙でいっぱいになった。

 班ごとに意見をまとめ、発表をする。「私たち一班が考えたことは、ストーリーの工夫とキャラクターの工夫です。ストーリーの工夫は、自分で話が選べるところで、キャラクターの工夫は、キャラをかっこよくしていたり、自分で育てることができたりするところです」
 それぞれの発表が終わった後は、ソニー・コンピュータエンタテインメントでゲームを開発している池尻大作さんに、ゲームの工夫や仕事の様子について取材した内容をビデオで紹介した。

 「私は、『みんなのゴルフ』というゲームをつくっています。ゲームに夢中にさせる工夫としては、難しくしすぎないこと、短時間で集中できるようにすることがありますね。なるべく誰にでも遊べるように工夫しました」。さらに、池尻さんからのメッセージを伝え、授業を終えた。「ゲームクリエイターになるにはゲームだけをしていればいいわけではありません。私もゴルフゲームをつくるために実際にゴルフをやってみました。みなさんもぜひ、いろいろなことに興味を持ち、何が面白いのか、自分の意見を持てるようになってください」

 子どもからは、「ゲームクリエイターがこんなことを考えているなんて初めて知った。これからゲームをするときは、そういった工夫を考え、さらに夢中になりすぎないように注意したい」と感想を語ってくれた。また、授業を実施したNPO法人企業教育研究会の八木渉さんは、「ゲームがこれだけ日常的に行われている以上、ゲームをやるなというだけでは子どもは納得しない。子どもが、ゲームのつくり手の立場に立ち、ゲームに夢中になる仕組みを考えることで、今後のゲームとの付き合い方を考えるきっかけにしてほしい。今後は低学年でも実施をしたい」と今後の抱負を語ってくれた。

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