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「ポテトチップス」から学ぶ食品の安全

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カルビーによる食品の授業

 「ジャガイモがポテトチップスになるまでには、安全でおいしい商品を消費者に届ける為のたくさんの工夫や努力の過程がある。」

食品メーカーによる食の安全管理

 この授業は、経済産業省「地域自律・民間活用型キャリア教育プロジェクト」の一環として、千葉県富里市立洗心小学校でカルビー株式会社とカルビーと契約を結んでいる地元農家、NPO法人企業教育研究会の3者によりおこなった。

おいしいポテトチップスへのこだわり

 ポテトチップスの袋には、「製造所固有記号」という暗号のようなものが記載されている。これは「いつ、どこで、その日の何番目にできた製品か」がわかる記号であり、ポテトチップスの安全性を保つために必要であることをカルビー株式会社の麦田裕之さんが説明した。一人一人にポテトチップスの製品が配られたときには「このポテトチップス、○○くんの次に作られたんだ。」ときちんと安全管理されていることに気づくことができた。
 この後、NPOが事前に取材してまとめた安全でおいしいポテトチップスづくりをクイズ形式で紹介していった。例えば、工場内ではポテトチップスを揚げた後、焦げたものや製造過程で変色したものを機械で選別しているだけでなく、選別しきれなかったものについては揚げたてで熱いのにもかかわらず手で取り除いていることに大変驚いていた。

食べ物の原点に関わる職業の魅力

 ポテトチップスのもとをたどっていくとたどり着くのが「ジャガイモ畑」である。洗心小学校の学区にカルビーのポテトチップスになるジャガイモを育てている農家がある。
 授業では、「富里産のジャガイモ100%でつくったポテトチップス」の袋を見せた。地元で採れたものが全国の人々の口に入ることに誇りを感じている様子がうかがえた。地元農家の木村さんには安全でおいしいジャガイモづくりについて話をきいたところ、「ジャガイモづくりのポイントはいい土をつくることである。単に化学肥料を混ぜればよいというのではなく,総合的に力のある土をつくらなければならない。」と土の重要性を強調していた。最後に「どんなに優秀なシェフでも作物がなければ腕をふるうことができない。食べ物の原点に関わる農業に携わっていることに誇りがある。」と農業の魅力を語った。

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一つの商品にさまざまな人々の工夫と苦労が

 授業を終えた子どもたちから「ポテトチップスにこんなにいろいろな人が関わってるとは思わなかった。そして、それぞれが安全でおいしいポテトチップスをつくろうとがんばっていることがわかってよかった。ポテトチップスの見方が変わった気がする。」と感想を語った。
 今回のように、一つの商品の始まりから終わりまでを人々の工夫や苦労と共にたどっていく学習プログラムは望ましい職業観や勤労観を育むであろう。

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