日本レコード協会の協力による教員向け研修会
7月31日、東京都港区の一般社団法人日本レコード協会(以下、日本レコード協会)にて、『小・中・高等学校教育関係者に向けた「学校×音楽×著作権」セミナー』が実施された。
スマートフォン普及による音楽の違法ダウンロードなどが問題となっている中で、最新の音楽配信事情や昨年10月1日に施行された改正著作権法(いわゆる「違法ダウンロード罰則化」)の解説、学校での著作物利用に関する内容等、教育現場で必要な内容が取り上げられた。会場には、小・中・高等学校の教員を中心とする約30名が参加し、教育現場での著作物活用をはじめ、児童・生徒や保護者に向けた啓発のあり方について、議論が行われた。
音楽配信の最新事情と学校での著作物利用
セミナーは、藤川大祐・千葉大学教授より「スマートフォンの普及と情報モラル・著作権教育」をテーマとした基調講演から始まった。最新のフィルタリングやアプリケーションの状況から、学校での授業・教材事例の紹介まで行われた。
次に、庄司恵人・日本レコード協会広報部部長より、「音楽配信の最新事情と協会の著作権啓発活動」をテーマにした講座が行われた。日本国内のレコード生産や有料音楽配信の具体的な統計データや、昨今の音楽配信サービスの傾向について解説したほか、違法ダウンロードの問題にも触れ、日本レコード協会で実施している著作権啓発活動について紹介が行われた。
最後に、楠本靖・日本レコード協会法務部副部長より、著作権法の解説と学校での著作物利用について講座が行われた。音楽著作権の概要から、2012年10月1日に施行された私的違法ダウンロードの罰則化までを網羅的に解説。また学校における音楽著作物の活用場面を想定し、著作権法との関わりについて、参加者と共にクイズ形式で考えた。
教育委員会や校内研修会で開催を予定
講座の後の質疑応答では、音楽著作物の教育現場での使用についての具体例を挙げた質疑を中心に、さまざまな内容の質問が挙がった。
受講した教員からは「来学期から昼の校内放送を行う予定だったため、とても参考になりました」「著作権はグレーゾーンが多いが、著作権者にとってマイナスにならないように考えて行動すること、正しい知識を教えていくことが大切だと考える」「法が変わり、状況・環境が変わっているからこそ、学び続けることが大切だと感じました」などの感想が出された。
NPO法人企業教育研究会と日本レコード協会は今後、教育委員会や校内研修会などからの開催依頼を受け付け、講師派遣などで協力していく予定である。
研修などに関する問い合わせは、NPO法人企業教育研究会・事務局(電話:043・308・7229、E-mail:info@ace-npo.org)まで。