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現在、小学校児童用セット(エピソード冊子と学習シート)の無償配布のお申込み、 ならびに「教師用解説」PDFの無償ダウンロードが可能となっております。 |
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桜を題材に環境や地域を考える
岐阜県高山市荘川町(旧荘川村)にある県指定天然記念物「荘川桜」の移植を巡るエピソードを題材にした教材『荘川桜から学ぼう』(小学校用、中学校用)が2004年春に制作され、岐阜県内の小中学校と全国の希望校に配布された。エピソードをきっかけに、環境・エネルギーや地域を思う人々の思いなどさまざまな内容を学べる教材として学校現場でも好評で、各地で活用が広がっている。教材の元となった逸話とともに、西条市立飯岡小学校(小笠原澄恵校長・生徒数339名)での活用の様子を紹介する。
■御母衣ダムと「荘川桜」
「荘川桜」の名で知られる2本のエドヒガン(アズマヒガン)は、いずれも樹齢400年を超える巨木で、現在も高山市荘川町の御母衣湖畔で毎年花を咲かせている。
元は村内の寺の境内にあって人々に親しまれていたが、御母衣ダム・発電所の建設により村の一部が水没するため、1960年に現在の場所に移された。移植を巡るエピソードはメディアでも多く取り上げられており、春には各地から大勢の観光客が花見に訪れる。
御母衣ダム・発電所は、戦後の経済復興に伴うエネルギー需要の急増を見据え、1952年に政府が基本計画を発表した大規模ダムだった。これに対し建設に反対する一部住民が「御母衣ダム絶対反対期成同盟死守会」を結成。国と、ダム建設を実施する電源開発株式会社に対する反対運動を開始した。
こうしたなか1956年5月、「死守会」と同社との間で、ダム建設で立ち退きを余儀なくされた住民の幸福を補償する旨を記した「幸福の覚書」と呼ばれる書簡が取り交わされる。これを機に住民側にも建設への理解が広がり、翌57年6月に本工事がスタートした。
■老桜にこめられた願い
「荘川桜」誕生の直接のきっかけとなったのは、同社の高碕達之助総裁(当時)の一言だった。村での「死守会」解散式に招かれた高碕氏は式後、湖底に沈む集落の様子を最後に見ようと村内を視察した際、立ち寄った光輪寺で一本の老桜に目を留め、「この桜を水没から助けたい」と住民らに語ったという。
高碕氏は翌年、山桜や里桜の保護活動で知られていた笹部新太郎氏を訪ね移植への協力を依頼。現地へ赴いた笹部氏は、光輪寺に近い照蓮寺にも同じような樹齢の桜があることを発見し、2本を同時に移植するよう提案した。
■世界に例のない難工事
1960年11月、樹齢400年、重量35トン以上の巨桜を2本同時に移植するという、世界でも前例のない作業が始まった。
最初に、幹や根の傷に弱い桜を安全に運搬できる状態にするため、不要な枝を取り払い、幹と枝をむしろで巻いて保護。根も土ごと掘り起こしてむしろで巻き、クレーンで吊り上げて鋼鉄製のソリに乗せた。その後、運搬用に新設された道を使って、距離約600メートル、高低差50メートルの場所まで少しずつ移動させていった。1ヶ月以上を要した難工事の末、2本の桜はダム湖を見下ろす高台に移植され、翌年、翌々年にも花を咲かせ、2本とも無事に根づいたことが確認された。
「荘川桜」の名は、1962年6月に行われた水没記念碑除幕式で同社の藤井崇治総裁(当時)が命名したもの。66年には県天然記念物にも指定された「荘川桜」は現在も同社が毎年手入れを施しており、湖の底に沈んだ村のシンボルとして人々に愛されている。 |
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実践事例 荘川桜「二世」を地域のシンボルに
〜愛媛・西条市立飯岡小学校〜
荘川桜の管理を手がける電源開発株式会社では、桜の実生から育てた苗木を学校などへ贈る活動を行っている。愛媛県西条市立飯岡小学校(加藤美江校長、児童331名)でも昨年12月に荘川桜の二世苗を受け取り、正門の側に植樹した。
同校では4年生道徳で荘川桜のエピソードを題材に自分たちの郷土の良さを見直す学習を行うなど、以前からこの桜とはつながりがあった。
「本校周辺には西条市のダム建設に伴って移転してきた人々も暮らしており、当時の様子を伝え聞いている子ども多い。荘川桜の物語に共感できる下地があるので、地域を学ぶ素材としても適しています」と6年生担任の佐藤秀之教諭は話す。
飯岡地区には同社の施設があり、社会科見学で訪れるなど交流も深い。二世苗の植樹活動を知った同校は、6年生の卒業記念樹として苗の贈呈式と植樹を行うことにしたという。
■新たな視点で学ぶ「荘川桜」
式の事前事後に子どもたちは、教材『荘川桜から学ぼう』を活用して移植の経緯や人々の思いなどを改めて学んだ。
6年生社会科の歴史の学習もほぼ終わっており、家電製品の普及や電力需要の増加など1950年代の暮らしの変化に関する既習事項を振り返りながら、ダム建設や桜の移植の背景などをより具体的に学ぶことができた。
「4年生道徳の学習時には知らなかったこともわかり、社会背景などを踏まえた総合的な視点から荘川桜の物語を理解することができました」と佐藤教諭。教材『荘川桜から学ぼう』は、道徳や社会科、ふるさとをテーマにした総合的な学習でも活用し、「学習に役立つ具体的な資料が豊富。1つのテーマだけでなく子どもの興味関心に幅広く対応できるので使いやすかった」と話す。
12月9日の植樹に参加した子どもからは、「いろんな人たちの心が詰まった桜が学校に植えられてうれしい」といった感想や、「荘川桜と同じように飯岡の人みんなに大事にされる桜になってほしい」といった願いも聞かれたという。
同校では学校生活の思い出をタイムカプセルに詰め、卒業生が二十歳になったとき学校に集合し開封することにしている。
「まだ小さな二世苗ですが、カプセルを開ける頃には成長して花を咲かせているだろうと夢を膨らませる子どももいます」と佐藤教諭。植樹された荘川桜を「身近な教材として活用しながら、地域の絆のシンボルとしても大切に育てていきたい」と話している。 |
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『荘川桜から学ぼう』教材セットの内容
桜の移植エピソードをきっかけに、地域を愛する人々の思いや自然環境と開発の関わり、エネルギーの確保といった多様な課題へと追究を深める教材で、小学校児童用セット(エピソード冊子と学習シート)、小学校教師用解説セットにより構成されています。 |
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昭和30年代、巨大ダムの建設に伴い、苦難の末に実現した「荘川桜移植」。この歴史を題材にした本教材は、先人の暮らしや地域を愛する人々の思い、自然環境と開発の関わり、あるいはエネルギーの確保といった多様な問題を考えるきっかけになり、子どもたちに地域を見る視点を提供します。
『総合的な学習の時間』にふさわしく、社会科、理科や家庭科、道徳など教科を超え、自在に活用できる教材です。ぜひ、本教材をご活用いただき、魅力的な授業づくりにお役立てください。
〔岐阜大学教育学部教授 北俊夫 (監修者)〕 |
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■物語への理解を深める「エピソード冊子」(12ページ)
「荘川桜」のエピソードを親しみやすいイラスト入りで紹介。
児童が理解を深めるキーワード解説も掲載されています。
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■興味・関心の広がりに対応する「学習シート」(7枚:A〜Gの7テーマ)
物語に基づく7つのテーマが学べ、グループ学習にも適したワークシートにより構成。より深い追究活動を支援する発展的課題も設定されています。 実際のワークシートはそれぞれ1枚毎にまとめられており、わかり易くまとめられています。ワークシートの一部をご紹介します。(下の写真をクリックすることで拡大した写真を参照できます。)
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■授業に役立つ情報を満載した「教師用解説」(28ページ)※PDFダウンロード版のみ
各テーマに対応する詳細な資料やデータが掲載されているほか、エピソード冊子には未収録の話材も充実。先生方が子どもたちを指導する上で役立つ各種情報いっぱいのわかりやすい解説書となっています。
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※教師用解説冊子版は在庫が終了しております。ご了承ください。 |
「教師用解説」PDFのダウンロードはこちら!!
「教師用解説」PDF |
監修:岐阜大学教育学部教授 北 俊夫
企画・制作:日本教育新聞社 企画協力:J-POWER(電源開発株式会社)
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■企画協力いただいたJ−POWER(電源開発株式会社)様の横顔
1952年設立。全国で水力発電所や石炭火力発電所を建設・運転し、各地の電力会社に電気を販売する卸電気事業者。
「J−POWER」をコミュニケーションネームとし、2003年には民間企業となる。風力・バイオマス発電なども加え、国内外でエネルギーと環境の分野を中心とした幅広い事業を実施している。
ホームページ:http://www.jpower.co.jp/ |
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監修者に聞く
「視点」を与え地域を見直して
岐阜大学教育学部教授 北 俊夫 氏
教材『荘川桜から学ぼう』の配布がスタートして3度目の桜の季節がやってきます。この間、地元・岐阜県だけでなく全国各地の学校現場で本教材の活用が広がっていることに、監修者として喜びを感じています。
この教材は、「総合的な学習」で「地域」をテーマにした学習を意識して制作したものです。
地域学習においては、「環境」「歴史」「生活」といった「地域を見る視点」を身につけ、その視点から自分たちの地域を見つめ直す活動が重要です。報告された実践事例を見ると、荘川桜のエピソードを通じて人々が地域に寄せる思いや願いを学んだ例が多く、まさに地域を見る視点を身につける学習材として有効に活用されているという印象を受けます。
本教材には新たな活用の可能性もあります。例えば「エピソード冊子」は国語科の教材としても使える内容で、小学校低学年の子どもには先生が読み聞かせることもできると思います。道徳の時間に活用し、「思いやりの大切さを実感させることができた」という事例報告もあります。
「学習シート」も、エピソード冊子とセットで使うだけでなく、教科の学習とリンクさせて活用することもできるでしょう。例えば社会科で地域の暮らしや歴史を学ぶ学習の発展として、50年前の人々の暮らしを考える。理科ではエネルギーや川の働きの学習に組み込んで使うこともできます。
この教材を糸口に、さまざまな方向へ学習が発展していく可能性もあります。桜を通して学ぶだけでなく、自分たちも桜を植え育てて、将来の街のシンボルをつくるという体験的な活動もあるでしょう。地域づくりに参画する具体的な視点やきっかけを提供する題材としても価値があると思います。
もちろん、荘川桜のエピソードの背景にある問題に目を向け、わが国のエネルギー問題や自然と人間の調和、開発と保全といったテーマに迫ることもできますし、桜を通じて他校と交流したり、本教材を使って他の地域の学校と学び合ったりすることもできそうです。
今後も多くの学校で本教材が活用されることを期待するとともに、各地の実践の成果を学校現場へフィードバックすることができればと考えています。
[ プロフィール ]
北 俊夫(きた・としお)
1947年福井県生まれ。東京都公立小学校教員、東京都教育委員会指導主事、文部省初等中等教育局教科調査官を経て、2000年11月から現職。
主な著書に、『学校新時代の学力と評価』『新しい学校課題と授業の創造』(文溪堂)、『「総合的な学習」のカリキュラムと実践のヒント』
『これからの学校・授業づくり』(光文書院)、『社会科の基礎・基本‐選択学習の新しい提言』『あなたの社会科授業は基礎・基本を育てているか』(明治図書)ほか。 |
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お問い合わせ・お申込み
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TEL : 03-5510-7800 FAX : 03-5510-7802
日本教育新聞社「荘川桜」係まで
E-mail : plan@kyoiku-press.co.jp

※「荘川桜から学ぼう」教材セットの申込み専用フォームが開きます。
※児童の人数分以上のお申込みも可能です(クラス分、学校分お送りできます)。※在庫がなくなり次第終了
※小学校関係者以外の方々もお申込み頂けます。
※申込み専用フォームを使わずにFAXにてお申込みの場合は、お名前・学校名・送付先住所・ご連絡先TEL及びFAX番号・Eメールアドレス(お持ちの場合)・小学校児童用セット(エピソード冊子と学習シート)の必要部数、をご記入の上、上記FAX番号宛までお送りください。 |
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