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[ 趣 旨 ]
世界には今なお150を越える開発途上の国や地域があります。国際社会の中で生きていく日本、その将来を担う子どもたちに、日本政府の途上国援助(ODA)の現状を伝え、国際協力を担う人材を育てるため、日本教育新聞では「世界とともに生きる日本 ‐ODA民間モニターからの報告‐」をインターネットかわら版として発行することになりました。国際理解教育・開発教育の生きた教材としてご活用いただければ幸いです。 |
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財団法人国際協力推進協会(APIC)は、政府の途上国援助(ODA)などの調査、研究、資料の収集、広報活動を通して国際協力の推進を図っている「国際協力情報提供・広報センター」です。 |
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インターネットかわら版最新号トップへ |
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日本と中国は国交正常化後34年間を経て、さまざまな分野における交流と協力、相互依存の関係を益々深めている。日中両国の健全かつ安定的な発展は、アジア及び世界の平和、安定及び発展に大きく貢献するものである。今後の両国間の国際協力のあり方について、特に環境保全や人材育成・教育分野の協力事例をもとに、考える機会としてみたい。
統計資料 データから見た中国
| ■中国の一般事情 |
1. 面積
2. 人口
3. 首都
4. 人種
5. 言語
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960万km2(日本の約26倍)
13億756万人(中国国家統計局2005)
北京
漢民族(総人口の92%)及び55の少数民族
漢語(中国語)
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| ■経済 |
| 1. 主要産業 |
繊維、食品、化学原料、機械、非金属鉱物 |
| 2. GDP |
2兆2257億ドル 182321億元(中国国家統計局2005) |
| 3. 一人当たりGDP |
1,700ドル(2005年)(数値は中国国家統計局) |
| 4.経済成長率 |
9.9%(2005年) |
| 5.物価上昇率 |
1.8%(2005年、消費者物価) |
| 6.失業率 |
4.2%(2005年、都市部登録失業率) |
| 7.貿易額(2005年) |
(1)輸出 7,620億ドル (2)輸入 6,601億ドル |
| 8.主要貿易品目 |
(1)輸出 機械電気製品、ハイテク製品、繊維・同製品
(2)輸入 機械電気製品、ハイテク製品、集積回路・マイクロ組立部品 |
| 9.主要貿易 |
相手国・地域
(1)輸出 米国、EU、香港、日本
(2)輸入 日本、韓国、ASEAN、台湾
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| 10.通貨・為替レート |
人民元<1ドル=約8.07元(2005年)> |
| 11.経済概況 |
| (1) |
2005年の中国の国内総生産額(名目額)は、約2兆2,257億ドル、実質成長率9.9%で3年連続10%前後の高い伸び。中国政府による引き締め政策の実施にもかかわらず、成長率は目標(8%前後)を大幅に超過。 |
| (2) |
一方、都市と農村の経済格差の拡大、金融、エネルギー、環境社会保障等、多くの課題も抱えている。 |
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| ■日本と中国の二国間関係 |
| 1.政治関係 |
| (1) |
成熟した未来志向の関係(平和と発展のための友好協力パートナーシップ)構築で一致 |
| (2) |
世界に貢献する日中関係の構築で一致 |
| (3) |
中国の進める改革・開放政策の支持 |
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| 2.経済関係 |
| (1) |
日中貿易(ジェトロによるドル換算)
貿易額(2005年) 輸出入合計計1,894億ドル
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| (2) |
日本からの直接投資
79年から05年末までの累計533.8億ドル(実行ベース、中国側統計)
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| 3.文化関係・各種交流 |
2006年においては、日中双方は、日中関係の未来を担う高校生を中心とする青少年交流の重要性に鑑み、「日中21世紀交流事業」を実施することとし、5月16日から24日にかけて中国人高校生の短期代表団第1陣200名が来日した。今後、日本側においては、日中友好会館による中国人高校生の短期招へい、国際交流基金による中国人高校生の中長期招へい等の事業を行っていく。また、2006年を「日中観光交流年」、日中国交正常化35周年にあたる2007年を「日中文化・スポーツ交流年」と位置づけ、文化事業を重点的に行うことにより、両国間の文化交流、人的交流を拡充していく予定である。
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出展:平成18年度ODA民間モニター報告書中国編
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ODAインターネットテレビ
■ODAインターネットテレビで開発途上国の映像を配信
「ODAインターネットテレビ」では国際協力の現場の映像が配信されており、国際理解教育や開発教育の教材として、今後の授業での活用が期待される。DVD版も無料配布されている。
問い合わせ :
(財)国際協力推進協会(APIC)
電話 : 03-3947-2491
E-mail : odatv@apicplaza.ne.jp |
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| ODAインタネットテレビではODA事業の映像を配信している |
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日本と中国の国際協力
日本の政府開発援助(ODA)の現場を視察した市民からの報告(1)
「森林再生への挑戦」
[ ODA事業の概要 ]
■中国黄土高原における森林再生事業 (草の根技術協力事業パートナー型)
対象地域の山西省大同市は、黄土高原の東北端に位置し、砂漠化、水土流失、水不足、風砂などの問題が深刻で、緊急の対策として緑化が必要とされている。また、対象地域は、北京、天津などの大都市と、華北穀倉地帯の水源であり、風砂の吹き出し口でもあることから、森林再生が喫緊の課題となっている。
中国政府も、三北防護林(緑の長城計画)、太行山緑化工程、北京天津地区風砂源改善工程、首都水資源保護21世紀計画などの国家プロジェクトを配置し、懸命に緑化に取り組んでいる。
本プロジェクトにおいては、中国における砂漠化進行地域の一つである山西省大同市において、持続可能な森林再生モデルを作り、このモデル作りを通じた技術支援を行うことにより、これらの技術を他の周辺地域へも普及させることを目的としている。 |
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[ ODA民間モニター報告 ]
■鉄本隆一さん(神奈川県)
| 2千年前位までは、黄土高原の50%は森林であり、“黄河”ではなく、澄んだ河が流れていたという。この原因は気候的変動要因もあるが、最近では人災、即ち無理な耕地造成・森林伐採・過度の放牧によるものという。「草の根技術協力」による森林再生事業は、この砂漠化地域に対して、日本の緑化技術協力により、植樹・造林を定着させ、再び緑豊かな大地を甦らせ、それにより、この貧困に喘ぐ農村の生活水準の改善も図ろうとする日中共同の壮大なプロジェクトである。我々は、環境林センターなどを見学したが、.“不毛の地”といわれたこの土地に見事な“林・森”が復活していた。試行錯誤の連続であったろうが、今後も協力すべき事業と思った。 |
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鉄本隆一さん (神奈川県) |
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日本と中国の国際協力
日本の政府開発援助(ODA)の現場を視察した市民からの報告(2)
「発展の影で」
[ ODA事業の概要 ]
■日中友好環境保全センタープロジェクト フェーズIII
| 1980年代後半、中国では急激な経済成長に伴い、大気汚染、水質汚濁等の公害問題が顕在化してきた。このため、1988年の日中平和友好条約締結10周年を記念して、無償資金協力による「日中友好環境保全センター」の建設が合意され、1996年にセンター建物の建設及び諸施設が完成した。技術協力は、1992年から3つのフェーズにわたり、計15年間に実施されている。これまで、環境モニタリング、公害防止技術研究、環境政策研究、人材育成研修、環境情報の整備等が実施されてきた。現在実施中のフェーズIIIにおいては、(1)循環型経済推進のための人材育成、(2)企業環境保護監督員等の育成、(3)環境保護基本法や環境影響評価法導入のための支援を実施している。このほか、ダイオキシン分析技術や黄砂を含む都市大気中粒子状物質発生源の解析研究等に関する技術支援を実施中。 |
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[ ODA民間モニター報告 ]
■河合美樹さん(東京都)
| 「中国では大気汚染や水質汚濁などとても深刻であるが、それでも、この10年くらいで中国の環境管理はかなり向上しているという。無償資金協力によって建設された日中友好環境保全センターでは、ダイオキシンの分析技術と分析管理能力の向上など、無償資金協力によって建設された日中友好環境保全センターでは、ダイオキシンの分析技術と分析管理能力の向上などが行われていた。環境管理が向上しているとは言っても、まだまだ中国は多くの課題を抱えている。日本の持っている技術で、この課題を少しずつ解消していく取り組みは、地道ながらとても重要で必要な支援だと感じた。すぐに効果が出るものでないため、支援による効果があまり見えないが、長い目で見た場合に中国にとって、大きなものになるであろうと思った。」 |
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河合美樹さん (東京都) |
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特別寄稿 「日本の中国への援助を考える」
九里徳泰(くのり・のりやす) (中央大学助教授(環境経営学))
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九里徳泰(くのり・のりやす) 中央大学助教授(環境経営学) |
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8月15日の小泉首相の靖国参拝直後、中国へ外務省の政府開発援助(ODA)民間視察団の一員として訪問してきた。この旅での大きな目的は、開発途上国への援助として実施されたODAがきちんと行われているか民間の第三者が実地検証するためである。
対中国ODAは、1979年に開始され、2005年5月のデータによると、これまでに有償資金協力(円借款)が約3兆1331億円、無償資金協力を1457億円、技術協力を1446億円、総額約3兆円以上を実施してきた。経年でみると昨今中国へのODA は、最盛期の半分ほどの額へと減ってきている。大型インフラ整備から、内陸部の貧困問題、環境問題、人材育成へと絞ることになったからであるが、日中関係を背景にした日本国内にある“ひきしめ論?なども影響していると思われる。すでに中国は有人宇宙ロケットも飛ばし経済的技術的に成熟しているので必要ないのでは、という意見もある。ただし、忘れていけなのはすべてのODAの支援は、援助要請により行われ、決して日本の押し付けで支援をしているわけではない、ということだ。
果たして中国では日本のODAが必要ないのだろうか? 私は重慶市、河北省張家口、山西省大同市、北京市の計8か所の支援場所を実地踏査してきた。
重慶市では、「有償資金協力」による、環境都市建設のためのモノレール建設、大学への人材・ハードの整備、環境モデル都市計画・発電所脱硫装置を見学した。数百億円規模の多額の融資がODAとして長期低金利(金利0.75%、40年返済)で行われているが、越境する環境問題の対処、改革・開放への人材育成支援は、日本への影響を考えた場合、重要かつ喫急な支援であるのが妥当だろう。ただ、日本政府はこの3月に対中国円借款は北京五輪前までに終了するとした。今後同様の融資が必要な場合は、国際協力銀行の事業開発など金融からの金利の高い融資により行われ、ODAの範囲には入らなくなる。これにより対中国ODAの総額は数字としては一気に下がる。
発展目覚しい首都北京から自動車で丸1日かけて山西省の大同にも向かった。砂漠化が激しい黄土高原の森林再生事業へのODA(草の根技術協力事業)を、地元の大同市と日本のNGO緑の地球ネットワークが協働で砂漠の緑化を行う現場を見た。この黄土高原は、日本に春先飛来する黄砂の原因でもある。3年間のべ10人の日本人短期専門家派遣と2400万円の機材供与を行っている。砂漠化した台地に持続可能な森林再生モデルを作り、普及させ、地元の中国人へその技術と成果を引継ぐことが大きな目的だ。同NGOは1992年から現地の青年連合会とともに緑化運動を始め、すでに植約1400万本の苗木を植え、その面積は約4000ヘクタール(東京ドーム約850個以上の広さ)にも達している。現場には日本人は常駐せず、現地中国人数十名がさまざまな緑化事業を行っており、就業機会創出にも一役買っている。私も大同県聚楽郷にあるカササギの森で植林活動をさせてもらった。すでに植林をはじめて4年が経過しているこの台地には高さ1mほどだが将来の森となる木々ができ上がりつつあった。マツの苗木は1本2円、山地1ヘクタールの緑化が5万円でできるという。ちょうど私が訪問していた時に、NGO事務局長・高見邦雄さんがこの緑化に対する尽力から大同市名誉市民の称号を送られたこととなった。「ODAの支援には本当に助けられた」と語った。
大同市からさらに奥の山村へ。霊丘県の小学校、医療施設「草の根・人間の安全保障無償資金協力」の現場へと向かった。埃が舞う道の脇で、豚や鶏、ヤギなどと生活する地域。中国では都市と農村の格差が激しく二極化している。世界銀行の基準である1日1ドル以下で生活する人口が1億6千万人(2003年)といわれている。このような都市から離れた場所で、災害や老朽化により更新ができない施設建設などに無償ODAにより1000万円限度での支援が行われている。1998年に建築された趙北郷王城庄「中日友好希望小学校」では数十人の小学生に出迎えられた。同じ名の小学校はこの県にあと2つある。
「いまなにがほしいですか?」と聞くと「知識がほしい」と子どもが目を輝かせて答えた。親は「子どもは大学へ行かしたい」という。このような中国でのODA草の根支援は、1990年からの累計が56億円774件となった。
さて、2003年に見直されたODA大綱は「国際社会の平和と発展への貢献を通じて、我が国の安全と繁栄の確保に資する。平和の構築、人間安全保障の重視」としている。ODAが、日中の過去の歴史を踏まえながら、両国のいかに友好な関係を造るかという国際社会の平和と安定にかかわっていることを忘れてはならない。対中国外交はプレゼンスのみを前提としたハードな外交だけでなく、ODAを通じた国民の相互理解と友好を通じたソフトな外交という戦略的アプローチも必要ではないだろうか。今後も日本は隣国として中国との係わり合いは続く。中国と幅広い分野で人的、技術的交流していくことを前提にしたソフトなODAがこれから求められるのではないだろうか。多くの日本人がODAの最前線で中国人と信頼関係を築きながら支援活動をしている様子をぜひ見てほしい。(了)
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| 重慶モノレール建設計画(有償資金協力) |
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| 中国黄土高原における森林再生事業(草の根技術協力事業パートナー型) |
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| 黄土高原の森林再生事業で活躍する日本のNGO・緑の地球ネットワーク |
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| 改築された小学校の子どもたち(霊丘県) |
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| 医療環境の整備で導入された超音波診断装置 |
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解説 :
ODAと言っても現在大きく4つに分けられている。1つは、いわゆる「円借款」という資金の低金利・長期貸し出しの比較的高額、大プロジェクトの「有償資金協力」。2つめは、機材・設備などの「無償資金協力」。3つめは人づくり、政策制度づくりの「技術協力」。そして、地方公共団体、教育・医療機関、NGOなどの小規模なプロジェクト対象とした1000万円以下の「草の根・人間の安全保障無償資金協力」となる。 |
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