工夫次第でエネルギーは楽しいテーマに
エネルギーの授業は難しいと考えられがちである。しかし、実験や人を招いて話を聞いたりする活動を入れることなどで楽しい学習ができる。ここでは、4年生の社会科で行った電気の授業を紹介したい。
1時間目の授業は、ニューヨークの大停電を取り上げた。「電灯がつかなくなった」「テレビが映らなくなった」「水道が止まった」「トイレが使えなくなった」「学校や会社が休みになった」といった大停電時の事例を紹介し、「絶対に我慢できないものは何か」と尋ねた。子どもたちは少し真剣になった。「トイレ」や「飲み水」は、絶対に我慢できないというのである。電気は電化製品を動かす便利なものというとらえ方を子どもたちはしている。しかし、実際には生活を支えるライフラインとして使われているのである。こうして電気の必要性を理解させた。
2時間目は、手回し発電機を教室に持ち込んだ。電気を作る実験をさせるのである。ここでは、エネルギー教育全国協議会座長の向山洋一先生から学んだ演出を使った。まず、停電になったので二人で協力しながら手回し発電機で豆電球を灯すという設定をつくった。さらに、交代する時に「暗いよ」と大声で叫ぶように指示した。子どもたちは大喜びで手回し発電機を回し始めた。しかし、2分もしないうちに手が疲れてくる。4分も続けると、へとへとになる。こうして電気を作るのは、大変な作業であることを体感させた。
3時間目は、手回し発電機が発電する電力を基準にして、電化製品が必要とする電力を考えさせた。冷蔵庫だと50台、電子レンジになると100台もの手回し発電機が必要となる。こうなると、手回し発電機では無理である。そこで、家庭で使っている電気は発電所でつくられていることを説明し、発電所の仕組みを説明した。
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外部講師を活用し、子どもの興味を高める
4、5時間目は、電気がどのようにして家庭まで届けられるのかを学習させた。下の写真は、送電線の保守点検作業にあたっている作業員の姿である。写真を見せると子どもたちは驚きの声を上げた。ここで「このような仕事をしている人にどんなことを尋ねてみたいですか」と問いかけ、電力会社の送電課に勤めるKさん(仮称)に登場していただいた。
「怖くはないのですか」という問いかけに「最初は怖かったのですが、訓練を積んで慣れてきました」と答えるKさん。「落ちた人はいないのですか」、「安全帯を装着しているので大丈夫です」と会話は続く。質問に丁寧に答えるKさんの一言一言に子どもたちは、うなずいていた。
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送電線作業をしている様子。 働く人を外部講師として招くのも 子どもを熱中させる工夫のひとつ
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次の日、ある子が次のような作文を書いてきた。「家の近くに(送電用の)てっとう(鉄塔)がありました。そこのてっとうもKさんが点検したのかなと思いました。電気の仕事って大変なんだと分かりました」。電気を届ける仕事の大変さを実感した瞬間である。この後、エネルギー枯渇問題や環境問題を取り上げ授業を終えた。子どもたちが熱中した授業であった。
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