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環境・エネルギー学習の授業づくり
環境・エネルギー学習の基礎と展開
(02) 豊富に情報を収集し「総合」で計画的に授業
山口・三隅町立浅田小学校  槇田 健校長 (平成15年11月21日)

求められる環境・エネルギー授業

エネルギー問題は、日本の将来を考えるうえで、重要な課題の一つであると言える。国際的な紛争の原因ともなるこのエネルギー問題についての学習を子どもたちに取り組ませなくていいのだろうか、教えなくていいのだろうか。いいはずがない。

総合的な学習の時間を活用

では、どのように教え、学習させればよいのだろう。一時間や二時間の単発の授業ではなく、二十時間から三十時間の学習計画を組むことが重要だ。
適したものとして「総合的な学習の時間(以下、総合的学習)」がある。これは、これまで教師がやりたくても時間が取れなかった内容を、思い切りできるようにと設定された時間でもある。この時間を使わない手はない。
「総合的学習」の課題の中に「環境」がある。当然環境教育に取り組んでいる学校は多い。問題はその学習内容である。
環境教育の中にエネルギー学習を柱にして取り組んでいる学校は極めて少ない。かく言う私の学校でも取り組んでいない。環境教育とは、ふるさとの自然を見つめ、自然にふれ、自然とともに生きる力を身に付ける教育となっている。その中心は、米作りなどの体験学習であり、ゴミ問題である。

山口・三隅町立浅田小学校  槇田 健校長
山口・三隅町立
浅田小学校
槇田 健校長
まずはエネルギー問題とは何なのかを知ること

ではなぜエネルギー問題を取り上げないのだろうか。私の体験からいうと、「知らなかった」からである。とにかく、エネルギー問題とは何なのかについて知らな過ぎたのだ。
知っているつもりでいた。例えば次のような内容がそれだ。
「化石エネルギーはもうすぐ無くなってしまう。原子力発電は、事故が起こると放射能が怖い。風力発電や太陽光発電が安全で良い。もっと安全でクリーンなエネルギーを作り出す努力をすべきである。節電に気を付けて生活することが大切だ」
エネルギー学習に取り組むようになったきっかけは十年前、宇宙から見た夜の地球の写真が手に入ったことだった。日本列島が電気で光り輝いていた。その写真を使って初めてのエネルギーの授業に取り組んだのだ。

エネルギー学習のポイント

資料を集めた。原子力発電についても避けては通れなかった。知らなかったことが次々に私の前に姿を見せ始めた。引き込まれるように情報を集めた。情報量が多くなるにつれて、私の中のエネルギー問題に対する認識が変わった。
エネルギー学習を教育課程に位置付け、計画的に指導する必要があると考え始めていた。
学習を行うにあたりポイントを以下のように挙げた。

  1. 放射能と放射線は違う
  2. 原子力発電所の事故には、地震と同じようにゼロから七までのレベルがある
  3. シーレーンの防衛問題について触れる
  4. マラッカ海峡を航行する日本のタンカーは、数珠つなぎになっている
  5. 日本に石油を運ぶのは命がけの仕事である
  6. 原子力発電所に使われるコンクリートの安全性を確認するためにロケットを激突させる実験の写真を見せる
  7. 原爆のシステムと原子力発電のシステムは、まったく違う
  8. 太陽電池パネルを日本の家屋の全てに取り付けた時の発電量は、現在使っている電力量の約三パーセントに過ぎない
  9. プルサーマル計画が導入されると、資源の無い日本にとっては安定的な準国産エネルギーが長期的に確保される
  10. 京都議定書CO2六%削減を達成するためには、何をしなければならないかを知る
このような情報を子どもたちに正確に伝えるのである。単に、説明するのではない。「総合的学習」のねらいに沿った学習計画の中で伝えるのである。子どもたちは、それらの情報を得て、どう考えるべきか、日本はどう進むべきなのかを話し合いながら、自ら判断していく。多くの情報を知って、それに賛成するもよし。反対するもよし。教師は、でき得る限り正確な情報を与える役に徹すべきだと考えている。

参考になる書籍がある。
『エネルギー教育ハンドブック2002―2003』(財団法人社会経済生産性本部 エネルギー環境教育情報センター発行)、教師の必読書である。
一学期に各学校に同財団より二冊送付されてきている。各学校に届いているのでぜひ活用したい

エネルギー教育ハンドブック(財団法人社会経済生産性本部 エネルギー環境教育情報センター発行)
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