理科と総合を融合させエネルギー学習を充実
本校では、3年生の「総合的な学習の時間」のうち35時間を理科と関連させて、まとめ取りする方法で遺伝子とエネルギーについて重点的に扱っている。
理科としての「エネルギー」学習(学習指導要領の内容)に、「総合的な学習の時間」として、次のような内容をプラスした。
仕事、熱量(熱量の測定、食品の熱量、運動で消費する熱量)、エネルギーの変換効率、エネルギーと環境問題(温暖化、酸性雨、原子力、新エネルギーなど)、燃料電池。
また、東京電力の方に、発電の仕組みや資源エネルギー問題などについて特別授業を実施していただいた。
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燃料電池の自動車レース
水素燃料電池自動車模型が、教材として約2万円で市販されている。しかし、燃料電池そのものは、子どもたちにとってブラックボックスであり、水素を充てんして走らせることしかできない。探究の対象にはならない。
それに対し、備長炭を電極とした燃料電池は、電気分解で気体が発生する様子が見える。電解液の種類や濃度、電気分解の時間などを変えて、よい条件を探究することができる。本校では、市内にある教材屋さん「太陽科学」から、備長炭燃料電池と模型自動車がセットになったキットを各班に用意し、3時間試行錯誤しながら探究させた。
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備長炭燃料電池の自動車レース
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生徒たちは電解液の種類などを「極秘」扱いにし、熱中して実験していた。なかには「用意してある薬品の中で、特定のものの減りが早いので、何がよいのかが分かった」なんて言う生徒がいたり、ある班が液を温めはじめると、あっという間にほかの班も温めるようになるなど産業スパイ並みの情報収集も行われていた。
3時間の授業時間だけではなく、放課後も理科室で実験している生徒もいた。レースは、2メートルを何秒で走るかで競った。どの自動車も、私が予想していた以上の速さで走り、驚かされた。一番速いものは、8秒で走り抜けた。
燃料電池の長所と短所を考える
レース後、備長炭燃料電池のような水を電気分解してから使う燃料電池の長所と短所を考えさせた。生徒たちはガソリンなどの化石燃料を使わないことを長所に挙げた。なかには電気分解するときの電気は、発電所で化石燃料を使っていると鋭い意見を出す生徒もいた。
短所としては、電気分解してからでないと走らないのは不便という意見が出た。
次に、水素をボンベから充てんする方式の燃料電池自動車を走らせてみせ、原理を説明したあと、長所と短所を考えさせた。
排気ガスが水であるという長所に対し、水素を入れる場所(水素ステーション)がない、水素は爆発しやすいなどの短所が挙げられた。
それらの短所を克服するために、最先端の技術が利用されていること、日本の燃料電池自動車は世界最先端を走っていること、自動車以外にも燃料電池が利用されていくことを紹介した。生徒たちに、日本の科学技術に誇りをもたせることができた。
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