GAKKO-NET.COM 日本教育新聞 広告局/企画調査室
HOME
教育ソリューションフェア
tesio
tesio
先生解決ネット
セミナー募集
コンクール募集
紙面&Web連動企画
文教企業リンク集
tesio
GAKKO-NET.COM
リンク時のバナーとして
ご使用ください
個人情報保護方針
学校・保護者・企業を結ぶポータルサイト「学校ネット」
本紙サイトへ | 媒体資料 | サイトについて | お問い合せ
教育ソリューションフェア
教育ソリューションフェア2007 第1ステージ報告
ICT活用セミナー
〜ICT教育、日常化へのステップ〜 第1日目
[開催概要]
テーマ:ICT教育、日常化へのステップ
日 時:2007年7月26日(木)・27日(金)
場 所:東京・秋葉原UDX UDXカンファレンス


 日本教育新聞社主催の「教育ソリューションフェア2007」が、去る2007年7月26日(木)・27日(金)の2日間にわたって、東京・秋葉原のUDXカンファレンスにおいて開催された。
 その分科会として開催された「ICT活用セミナー」は2日間にわたって開催。両日ともに盛況で、すべてのセッションがほぼ満席となった。学校教育現場のICTに対する期待と興味・関心が高いことが、改めて確認された。
 ここでは、「ICT活用セミナー」において発表された各セッションの内容をダイジェストで紹介する。
 なお、26日は富山大学人間発達科学部の高橋 純准教授、27日はメディア教育開発センターの中川 一史教授がナビゲーターを務め、必要に応じて発表者に質問を投げ掛けたり、専門家の立場から本質的な課題を追求することで、セッションの内容を深めていった。

以下では、ICT活用セミナーの第1日目の模様をレポートする。

 ICT活用セミナーの第2日目の模様はこちら
「ここから始めよう! 映せばわかるプロジェクタの活用事例紹介」

発表者:
 東京都世田谷区立砧小学校 松橋 尚子 主幹教諭
 山形県米沢市立南原中学校 金 隆子 教諭


東京都世田谷区立砧小学校 松橋 尚子 主幹教諭 最初のセッションは、「ここから始めよう! 映せば分かるプロジェクタの活用事例紹介」をテーマに、東京都世田谷区立砧小学校で図画工作を教える松橋 尚子主幹教諭(写真上)と山形県米沢市立南原中学校で国語を担当する金 隆子教諭(写真下)が、それぞれの実践について発表を行った。
 松橋主幹教諭は、自身が担当する実技教科に着眼したプロジェクタ(松下電器産業)の有用性を紹介。同時に校内で多様な活用を図っていくための普及の方法について発表した。
 授業での活用において印象的だったのは、刃物などを使って創作活動を行う際に、実物投影機とプロジェクタの組み合わせにより、安全指導を行っているということ。これにより、子どもたちの「安全」を確保するとともに、授業本来の「創意工夫・活動の時間」を大幅に確保できるようになったという。従来はグループに分けて繰り返し指導していたことが、一斉指導できるようになったことで、子どもたちの「待ち」の時間も少なくなりました。
 また、授業の導入時には、教科書や絵画集、完成サンプルなどをプロジェクタで拡大提示して見せるようにしているとのこと。ここで集中を促すだけでも、子どもたちの意欲や発想が大幅に向上したという。
 同時に松橋主幹教諭は、自らがリーダーシップを持って、校内におけるICT活用の推進にも当たっている。
 「機械の扱いなどが決して得意ではない自分が積極的に取り組むことで、周囲も変わってきました。同じように得意ではないと感じている先生が気軽に声を掛けてくれて、一緒に活用を考え、実践しています」と松橋主幹教諭はその意義を語ってくれた。
山形県米沢市立南原中学校 金 隆子 教諭 一方の金教諭の発表は、担当する国語において、効果的な授業を行うための工夫が集約されていた。その活用方法は大きく3つに大別される。それは、プロジェクタ(松下電器産業)での提示を基軸に、実物投影機、デジタルカメラ、パソコンとの組み合わせによるものだ。
 プロジェクタと実物投影機の組み合わせでは、資料の提示、基礎固めのためのドリル、書写の手本などを見せているという。たとえば、書写の見本は従来の水書き黒板を使った指導と比較して、スムーズでリアリティがあり、生徒たちがリズムまでを体感できるので便利だという。
 プロジェクタとデジカメとの組み合わせでは、日頃の授業で気になっていた生徒たちの漢字やひらがなの書き方指導も行った。間違っている生徒の例をデジカメで撮影し、名前を伏せて提示し、全体で確認し指導することで、短時間で正しい書き方が身に付いたという。また、デジカメで撮影した写真・動画は、カードを挿入するだけですぐに見せられるというメリットがある。これを活用して、スピーチや弁論指導も行っているという。
 さらにはパソコンとの組み合わせでは、授業で扱う作品のキーワードを写真で提示したり、作品の関連情報をインターネットで調べ学習している。これらにより、作品の叙情を深めることが可能になったという。
 「教科担当制の中学校では、教師それぞれが指導法へのこだわりを持っています。実は、そのこだわりが、ICTの活用を阻害しているケースも少なくないはずです。しかし私は、ICTだから可能なこだわりもあると思っています。その意味でICTは、教師一人ひとりが、新しいこだわりを持った指導を行うきっかけにもなり得ると考えています」と金教諭は、中学校ならではの活用があると説いていた。
 ページトップへ
「はじめよう! 情報モラル教育」

発表者:
 岐阜県羽島市立羽島中学校 横山 隆光 校長


岐阜県羽島市羽島中学校 横山 隆光 校長 26日、2時間目のセッションのテーマは、「はじめよう! 情報モラル教育」。教員におけるICT活用指導力の規準の具体化・明確化に関する検討委員会委員(文部科学省・2006年)、情報モラル等指導サポート事業情報モラル教育指導手法など検討委員会委員などを務めてきた情報モラル教育の第一人者である岐阜県羽島市立羽島中学校の横山 隆光校長(写真)が、同校での実践手法や実際に直面した課題の解決策などについて発表した。
 ポイントは、携帯電話やインターネットが子どもたちにとって身近になったことにより、まったく新しい課題が生じていること。それに対しては、日頃の生活指導という観点から、対処していく必要があるということだ。
 しかしながら、横山校長は同校での実践方法を紹介しながら、「決して難しくない」という持論を展開する。具体的に、この日は「学校裏サイト」を題材とした授業の実践方法が紹介された。その流れは、大きく以下の通りである。

1.「学校裏サイト」について知っていることについて出し合う
2.市販教材=「事例で学ぶNetモラル」(広島県教科用図書販売)のアニメーションを使って、学校裏サイトを利用して無意識のうちに特定の個人を誹謗・中傷してしまうケースを紹介
3.市販教材に添付されたプリントで、自分がアニメーションに登場した主要人物の立場であったらどうするかを考える
4.生徒たちの意見交換・ディスカッションを実施
5.まとめを行うとともに、生徒たちに感想を書かせる

 このような授業を、同校では総合的な学習や道徳の時間と連動しながら実施しているが、同時に昼休みや帰りの会の20分程度を利用して実践していることも少なくないという。「情報モラル教育」だといって構えるのではなく、市販の教材を上手に活用し、テーマや教師のスキルによってアレンジを加えることで、短時間でも十分に実践できるはずだと説く。
 携帯電話やインターネットの出現により、情報モラル教育で扱うべきテーマが広がっているが、その基本は「相手の立場を考える」ということを教えることにある。市販の教材も充実してきているだけに、それらを上手に活用することで、すべての教師が実践できるスキルを身に付けることが可能であるという。
 もう1つ重要なことは、情報モラル教育が、小・中・高等学校の連携のもとに、計画的に実践されるべきだということ。羽島市では、そのための施策にも積極的に取り組んでいるという。
 「子どもたちは、被害者にも加害者にもなりたくないのです。そのことが、情報モラル教育の実践を通じて、実感することができました」という横山校長の言葉が印象的であった。
 学校で計画的に取り組み情報モラル教育が、「積極的な生徒指導」の一環であるとするならば、実際には「消極的な生徒指導」に対する体制も築いておく必要があると横山校長は力説する。「消極的な生徒指導」とは、実際の問題・課題に直面した際のアプローチを意味する。
 実際に同校では、非公式の学校サイトの掲示板に、「自殺予告」の書き込みがあったという。その際の対象の方法についても、本セッションでは紹介された。まずは、学校自体が、恒常的に非公式サイトのチェックを行うことが必要で、横山校長自身もそのことに取り組んでいる。「自殺予告」があった際には、まず、深夜まで現場の教師とともに、情報収集に努めることからスタートした。また、ある教師は、「翻意するように」との書き込みも行った。また、命にかかわることなので、警察との連携も行った。さらに翌日には、生徒たちを集めて、緊急の全体集会を実施。結果として、この書き込みは、同校の生徒によるものではないことが、警察の調査によって判明した。「プロバイダ責任制限法」のもとに、警察が書き込みを行った端末を特定したからだ。学校側が安堵したことは、いうまでもない。このように「消極的な生徒指導」においては、学校・生徒のみならず、保護者・地域・公共機関のシームレスな連携が必要になることを改めて実感させられた。
 ページトップへ
「ICT教育支援システムの紹介」

発表者:
 神奈川県横浜市立霧が丘小学校 横山 美明 主幹教諭
 株式会社アイ・オー・データ機器 田中輝之氏・村田真純氏


神奈川県横浜市立霧が丘小学校 横山美明主幹教諭 26日、3時間目のセッションは、「ICT教育支援システムの紹介」。ここでは、ICTを支える新しい教育システムとして、ビデオ・オンデマンド(VOD)システムが紹介された。VODとは、利用者の必要に応じて、さまざまな映像コンテンツを配信するシステムのこと。最近では、インターネット経由で、映画や音楽クリップなどを視聴できる仕組みが普及しつつある。
 それを、いわゆる校内ネットワークの仕組みとして活用したのが、神奈川県横浜市立霧が丘小学校である。同セッションでは、はじめに学校担当者としてシステムの導入・活用を推進してきた横山 美明主幹教諭(写真上)が導入の経緯を語るとともに、システムを提供したアイ・オー・データ機器の田中 輝之氏が同学校での活用の様子を通じてシステムの使い易さを紹介した。
 まず、導入の経緯であるが、同小学校は学校統合により再編成されており、それに伴って、校内ネットワークの拡充を行った。その中で、構築した校内ネットワークを有効に活用する仕組みとして、VODシステムを採用した。その理由は、小学校においては映像を主体とするコミュニケーションが重要であり、映像を核とする新しいICT活用を推進していきたかったからだ。
 なお、VODはパソコンを端末に実現することも可能である。しかし、そのためにはパソコンに一定以上のスペックが求められる。また、操作やセッティングが難しいという問題がある。そこで同校では、各教室にネットワークメディアプレーヤーを設置し、校内のVODサーバを経由して映像コンテンツを選んで、各教室のテレビから映像を表示させる仕組みを選択した。
 同校のVOD活用は広範囲に及ぶ。授業ではもちろんのこと、昼休みの校内放送にも使っているという。通常、昼休みの放送は一斉で行われるが、実際にはクラスによって準備が整っていなかったりして、タイミングよく放送を楽しめないという課題があった。それも、VODシステムを導入してから、確実に解消されたという。さらには、保健指導や環境教育などにおいても、独自教材を作成し、効果を上げている。管理も容易で、リモコン操作だけで活用できるため、今後の広がりが期待されている。
 同システムの優れている点は、何よりも操作性が高いということだ。家庭にあるDVDと同様にリモコン1つで操作できるため、パソコンが得意ではない教師はもとより、子どもたち自身が操作を行って、活発な授業が可能となった。
 一方で、管理面におけるメリットも大きい。サーバからコンテンツを引き出して活用するので、コンテンツそのものを消去してしまう心配もない。また、コンテンツをサーバに保存・蓄積しておくだけで、どこからでも視聴可能なので、従来のように必要に応じて映像データを学級分コピーしておく必要がなくなった。そのため、情報担当者の負荷も大幅に軽減されたという。
株式会社アイ・オー・データ機器 村田真純氏 さらに同セッションでは、アイ・オー・データ機器の村田 真純氏(写真下)が、学校教育現場における情報漏えい対策を簡単に行うことができるセキュリティシステム「NonCopyセキュリティシステム」の紹介を行った。
 これは、独自のファイルサーバの仕組みによって、これらの課題を低コストで解決するためのソリューションである。一般的に、ファイルサーバはデータを蓄積・共有するためのものであるが、サーバ内のデータを外部に保存・コピーすることが可能なため、データの持ち出しや外部からの攻撃を防ぐという観点の機能は、非常に限定的だ。それに対して、「NonCopyセキュリティシステム」はファイルサーバにアクセスしている時に限り、認証ソフトをインストールしたパソコンの各種通信機能を遮断し、サーバ内のファイルを外部に保存・持ち出しすることを制限できる。
 それだけに、個人情報など持ち運びができない情報を「NonCopyセキュリティシステム」のサーバ内に保存しておくことで、既存のパソコンを活用しながら、容易にトラブルが防止できるようになる。大規模なシステムリプレースも必要なく、短期間・低コストで情報漏えいに対応したセキュリティシステムが実現できるという。
 ページトップへ
「総括パネルディスカッション ICTを日常化する工夫と手だて」

コーディネータ:
 富山大学人間発達科学部 高橋 純 准教授
パネリスト:
 東京都世田谷区立砧小学校 松橋 尚子 主幹教諭
 岐阜県羽島市羽島中学校 横山 隆光 校長
 株式会社アイ・オー・データ機器 田中 輝之氏


コーディネータを務めた、富山大学人間発達科学部 高橋 純 准教授 26日の最後を締めくくったのが、パネルディスカッション。本日、発表を行ったメンバーの中から3名が参加し、「ICTを日常化する工夫と手だて」というテーマで、意見交換とディスカッションが展開された。
 松橋主幹教諭は学校でのICTを推進していくためには、「まずは自分が使っていくこと」でリーダーシップを発揮するとともに、「相手に合わせて考える」ことも重要であると説く。具体的には、どうして使いたいのか、どうして使えないのか、どうすれば使えるのかということを一人ひとりに合わせて一緒になって考え、解決策を見出しているという。また、実際の活用においては機器の管理も不可欠とのこと。同校では、機器にラベルをつけたり、利用スケジュール表などを作成して、より多くの授業で使えるように工夫しているという。
 横山校長は、情報モラル教育もまた、日常化していく必要があると説く。そのためには、文部科学省が発行しているガイダンスなどを大いに参考にしていくことを薦めていた。また、教師一人ひとりに情報モラルのスキルを身に付けさせていくことも、管理職である自分自身の重要な役割であると認識している。そのため、横山校長は、教師向けの通信を発行して、情報モラル教育に関するノウハウを積極的に提供して言っているという。
パネリストの3名。左から、松橋氏、横山氏、田中氏 田中氏の発言の中で興味深かったのは、「学校教育現場は、もっと気軽に企業に相談したり、提案依頼を行って欲しい」という一言。複雑化するネットワーク環境の構築など、多様化する学校のニーズに対応していくには、単体の機器やシステムではなく、組み合わせによるソリューション(問題解決手法)が不可欠だ。そしてそのソリューションの提供こそが、企業の腕の見せ所に他ならない。
 田中氏は、「汎用製品はコスト競争力が高く、一般に専用製品に比べて堅牢性が高い。学校教育現場でも製品を上手に組み合わせることにより、より低コストで最適化を図れるケースも少なくないはず」と指摘。そのためには「まずは学校からたくさんの声を挙げてもらえれば」という。
 いずれにしても今後は、企業が有するノウハウを積極的に取り入れていくことも、ICT活用を推進する1つのポイントになりそうだ。
 最後に同日のコーディネータを務めた富山大学人間発達科学部の高橋 純准教授は、全セッションを通じてのまとめを次のように語った。
 「ICT活用を日常化していくためには、ICTを道具として捉えて、活用方法のイメージを築いていくことが大切。同時に、ICT活用を校内に拡げていくためには、必要な時に必要なだけの研修を行える体制も重要です。また、情報モラルに目を向けてみると、たとえば子どもたちに携帯電話を与えているのは、保護者に他なりません。それだけに、保護者との連携や意識の共有ということも重要になってくるでしょう。さらにICTの活用環境の導入に当たっては、企業のノウハウを学校に生かしていくことも必要。それによって、既存の設備を有効活用することが、可能になるケースもあるということです」
 授業でのICT活用から、情報モラル教育の在り方、そしてICT環境を整備していくにあたっての方法論まで、幅広い議論が展開された一日であった。

 ページトップへ
 BACK NUMBERのトップへ
Copyright 1946-2011 Japan Educational Press. All Rights Reserved.
GAKKO-NET.COM 内の全ての記事・本文・画像の、無断転載 および 使用は固くお断りいたします。